浜田桂子(絵本作家)プロフィール!日中韓平和絵本シリーズ「へいわってどんなこと?」感想も

3.浜田桂子(絵本作家)と田島征三が始めた日中韓平和絵本シリーズとは?

関係が冷え込んでいる…と

メディアでは言われることの多い

日本と韓国・中国。

でも、心ある人たちの間では

国境を越えた強い絆があるのは

この人の時にもご紹介した通り!

絵本の世界で、

その動きがあったのは2005年…

当時の首相・小泉純一郎氏が

靖国神社を参拝したことで、

中国で不買運動

さらに中国と韓国で反日デモ

吹き荒れていた頃…(T^T)

その時、先に述べた

絵本作家の田島征三さんが

「アジアの作家と向き合おう。

ぼくらは政治家じゃないから、

気持ちを重ねられるよ。」

出典:https://www.asahi.com

…と発案したことが

きっかけなんだとか。

遠く外野から色々いうのではなく

自分の立場やスキルから、

自分のできることを考え

行動される田島征三さんも

スゴい人よねー!(*^^*)

この年、浜田桂子さん、田島征三さん、

和歌山静子さん、田畑精一さんの

日本の絵本作家さん4人が、

中国の作家さん4人と、

翌年には韓国の作家さん4人に

「一緒に『平和絵本』を作りませんか」

と声(手紙)をかけて活動開始。

お互いに下描きの本を見せながら

ゆっくりと…だけと確実に

創作活動は進められ、

2011年の4月に最初の3冊が発売!

浜田桂子さんの

「へいわってどんなこと?」

その時の一冊なのね。

出典:Amazon

この一冊が生まれるまでには

浜田桂子さんの中でも色々な

紆余曲折があったみたい。

最初の下描き本では

  • 「ばくだんがおちてこない」
  • 「いえやまちがはかいされない」

という言葉だったけど、

「受け身」で書かれた文体は

他の作家さんや絵本編集者から

厳しい指摘を受けたみたい。

アフロならそこで凹んで

止めちゃいたくなりそうだけど、

浜田桂子さんのスゴいところは

その指摘を真摯に受け止めることで、

自らの感覚を広げ、

子どもの主体性を尊重した表現へと

昇華していったところ!

子どもが戦争に巻き込まれる

弱い存在…という視点から、

「戦争は嫌だ!NO!!」

と言えるよう願いをこめて、

その文体をより能動的なものに

変えていったのね。

同時に一緒に製作活動を行う

韓国や中国の作家さんとの

信頼関係も深まっていって、

2017年までに日本・中国・韓国の

3つの国で10冊の絵本が刊行!!

それだけでもスゴいんだけどね、

個人的に感動したのは

浜田桂子さんのおかげで

幻ともいえる絵本が誕生したこと…。

それは慰安婦問題を取り上げた

韓国の絵本作家・

権倫徳(クォンユンドク)さんの

「花ばあば」という絵本。。

出典:Amazon

ヘビーよね。。

あいちトリエンナーレなんかの

事件を見ても、

触れることに二の足を踏んでしまう

デリケートな問題よね。

でも、女性の立場としてはやっぱり

「なかったこと」にしてしまうのは

良くないとも感じてしまう。

いつか、もし、自分や知人の娘が

同じような目に遭ったら…

想像するだけて胸が張り裂けるような

気持ちになってしまうわ。

作り手である絵本作家、

権倫徳(クォンユンドク)さん自身も

創作の過程で大きな葛藤が

渦巻いていたよう。。

そんな彼女に寄り添い、

大切な一冊が世に生まれることを

支えた浜田桂子さんの活動は

まさしく「平和活動」なんじゃ

ないかしら?

この絵本は、2010年に韓国で発売されるも

日本ではもともと企画していた

出版社では出せなかったみたい。

でも田島征三さん、浜田桂子さんら

日本の絵本作家の奔走や、

クラウドファンディングによって

ころから株式会社から発売。

韓国から遅れること8年

こうして陽の目を見ることが出来た

平和絵本「花ばぁば」…。

これは韓国と日本だけの問題でなく

平和を祈る全ての女性、

そして大切な女性を持つ男性に

是非とも読んでもらいたい一冊ね。

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4.浜田桂子(絵本作家)「へいわってどんなこと?」あらすじ・感想

あらすじ…といっても

大きなストーリーはなく、

そこには「へいわとは」という

問いに対する答えが、

しずかな文章で伝えられているのね。

当たり前のことなんだけどね。

その、当たり前のことが

当たり前じゃなくなる

戦争の恐ろしさ…。

そして、当たり前のことが

当たり前として目の前にある

日々の小さな幸せの有難さ。

課題図書にも選ばれた

「へいわってどんなこと」は

しずかに、ふりつもるように、

読んでいる大人の心に響き、

シンプルで力強い文体は

子どもの心にもスッと入っていくよう。

個人的には色々な国の子どもたちが

ひとつの大きなお皿を囲んで

食べている様子が印象的でした。

先にも書いたように

今までの「平和絵本」というと

「戦争は怖い・悲しい」を

全面に出しているものが多い中、

子どもたちの未来を見つめた

ステキな一冊だと思ったわ。

今回、浜田桂子さんのことを調べていて

凄く印象的だった言葉が

知っているということと

感覚って全然違うんですね。

出典:https://kokocara.pal-system.co.jp/

ニュースで「知っている」だけでは

きっと薄っぺらくて不十分。

その点、絵本は、

中に入って「物語を体感」することで

すごく「自分事」として

捉えることができるのかもしれない。

絵本って本当に凄いわね。

そして、そこで。

「受け身」ではなく「能動的」に変えた

主体性ある行動を促す文体は

凄く生きてくるんじゃないかしら?

そういう意味でも、日中韓の絵本作家が

一緒に意見を出し合って作った…というのは

本当に価値のあることだと思うのね。

戦争は悲惨なこと…

それにとどまらず、

未来ある子どもたちに

今と未来を切り拓く力を…

そして、その力があることを…

教えてくれるこの絵本は

本当に今までにない珠玉の

「平和絵本」だなーって思った

アフロでした。

【追記】

浜田桂子さんは2020.1.17の「あさイチ」

NHKプレミアムトークにご出演されます!

生放送で聞ける浜田さんのトーク、

そしてこだわりの文房具やアトリエ!

凄く楽しみ!!(*’ω’*)♪

同じ日に登場する

この人たちも要チェックです。

まとめ

「戦争反対集会には行かないわ。

平和集会になら行くけれど。」

そう言ったのはマザー・テレサ。

絵本作家・浜田桂子さんの

活動を見ていると、

それがすごく重なって見えるのね。

まさに絵本界のマザー・テレサ!

そして、メディアの情報だけで

踊らされちゃいけないなーって

つくづく思うのね。

日本と同じように、それぞれの国で

生き生きと喜怒哀楽を抱え

日々の生活を営む人々が

確かに存在するし、

私たちはちゃんとそこに

目と心を向けるのはどうかしら?

子どもたちが大人になる頃、

避けては通れないグローバル化。

その時、ちゃんと歴史の背景や、

他人の痛み、自分の痛みを踏まえて、

そこから未来に向けて

どういう選択をしていくのか

…それを国境を越えて

話し合うことのできる力が

今の子どもたちには必要なのかも?

そんなとき、難しい言葉や恐怖でなく

「どうしたら平和になるか」という

理想のゴールイメージが

優しく寄り添うように描かれた絵本

「へいわってどんなこと?」は、

無理なく子どもの心に沁みていくと

思うのね。

今は分からなくても、

ことあるごとに、この絵本の世界が、

子どもの心に広がる…

そんな子どもたちが大人になることで

「世界平和」

絵空事ではなくなるかも…。

日本・中国・韓国の絵本作家さんに

頭が下がると同時に、

この活動が少しでも

強く広く拡大していくことを

心から祈るアフロでした。

今日も最後まで読んでくれて

ありがとうねー!!