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2.「オレグ(自閉症青年)の自立」の原題は「DonJuan」
この作品はもともと
スウェーデン/フィンランドで作成された
ドキュメンタリーで、
「DON JUAN(ドンファン)」が
原題のタイトルね。
ドンファンは、
オレグ・マキシモフ(Oleg Maximov)さんが
劇団に入った時、
自らが演じることになった役の名前。
伝説の放蕩児の名前で
プレイボーイの代名詞でもある
「DON JUAN(ドンファン)」を
タイトルに持ってくるあたりが
とてもシニカル…(・▽・;)
「演劇」という表現方法を得て
自分の世界への扉を開き、
同世代の友人の輪を作り
親からの自立も見せていく青年オレグ。
特に演劇サークルで
オレグに関心を示す
活気のあるかわいい少女
タニア(Tania)の存在によって、
大きく変わろうとするオレグ。
「ドンファン」という劇中劇と
オレグとタニアの物語、
そしてオレグと母マリーナの物語が
幾層にも重なって、
見ているといろんな思いが去来しそう。
また、もう一つの見どころは
オレグの祖母であり
母マリーナの母でもある
ロシア人で厳しい物言いもする
マリア・フェドーロヴナ・ヴォヴィーナさん
(Mariya Fedorovna Vdovina)と
母マリーナさんの
台所のテーブルで交わす会話。
誰もが皆、真剣であるだけに
最善の方法を取ろうと
より混乱していくのが
ひとつの戯曲のようね。
このドキュメンタリーは
誰もカメラに向かって語らないのも
ひとつの特徴。
「ドンファン」という劇のタイトルが
付けられたこのドキュメンタリーの中で
繰り広げられるお芝居に、
自分の現実も重ねて
いろんなことを考える機会になりそう。
3.オレグ(自閉症青年)のドキュメンタリーはIDFA長編最優秀賞も!
この幾層にも重なった
人間ドラマを撮ったのが
ポーランドのベテラン作家ディレクター、
スラドコウスキー(Jerzy Sladkowski)。
制作会社は「GinestraFilm」。
この作品は2015年に
IDFA長編ドキュメンタリー最優秀賞を
受賞しているわ!!
IDFAは世界を1位、2位を争う
国際ドキュメンタリー祭で、
アムステルダムで開催。
その時、アムステルダムは
20万人の聴衆に、
2500人のドキュメンタリー関係者が
集まるというから
物凄い街をあげた一大イベントね。
そんなドキュメンタリーの通たちが
集まる大きなイベントで最優秀賞を獲得した
NHKドキュランドへようこその
「オレグの自立」こと、
「DON JUAN(ドンファン)」は
人々を勇気づける人間賛歌でもあるのね。
決して、みんなハッピーエンドという
ご都合主義な結末ではないけれど、
オレグという自閉症の青年の成長を通して
自分自身を振り返ってみるのも
良いかもしれないわね。
DON JUAN(ドンファン)
制作会社:Ginestra Film
監督脚本:Jerzy Sladkowski
プロデューサー:Antonio Russo Merenda
撮影監督:ウォーシエック・スターン
編集者:Jakub Sladkowski、Agnieszka Bojanowska
作曲者:ティモ・ヒエタラ
まとめ
いかがだったかしら?
「ドキュランドへようこそ」で
放送される自閉症青年・オレグを
主人公にしたドキュメンタリー
「オレグの自立」。
原題「DON JUAN(ドンファン)」の
こちらの作品は2015年
IDFA長編ドキュメンタリー最優秀賞作でもあり
見どころがいっぱいありそう。
普通の親子でも難しい理解や
コミュニケーション…、
それが自閉症という病を抱えた上で
コミュニケーションエラーを生じている時、
その子の未来に与える影響力の怖さも
感じるわね。
一方で、凄くコミュニケーションを
上手く構築出来た親子も見ているだけに
東田直樹(自閉症作家)ガン闘病丸山ディレクターが描く感動ドキュメンタリーがNHKで!著書や母親は?
比較するわけじゃないけれど
よりオレグさんの立場を辛く感じてしまうわ。
発達障害を持つことが悲しいのではなく
それに対する理解がないことが
一番の悲しみの原因かも…。
NHKの「発達障害ってなんだろう」を
テーマに送るこの一週間、
色んなことを考えてみたいと思います。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうねー。