こんにちは。
マダム・アフロよ。
高齢化社会に伴って深刻化する
認知症問題…これは
本人だけでなく家族にとっても
とっても大変なこと。
心身にかかる負荷はきっと
思い描いていたもの以上に大きくて、
押し潰されそうになることも
あるでしょうね。
今回ご紹介する絵本は
そんな認知症患者の方や
その介護をされるご家族に向けて
描かれた大人の絵本
「とかげのアンソニー」!
出典:Amazon
著者である小林博子先生を含めて
色々調べてみたので、
良かったら一緒に見ていってねー!
目次
1.とかげのアンソニー(絵本)の作者・小林博子先生とは?
小林博子先生は認知症が専門の
精神科女性医師。
横浜市立大学医学部卒業、
同大学大学院医学研究科博士課程を
修了し医学博士に。
精神保健指定医、老年精神医学専門医、
認知症サポート医の認定資格を持つ
大人の精神医療の専門家ね。
小田原市・鴨宮駅から440mにある
「ひまわりメンタルクリニック」の
院長をされているけれど、
こちらの病院は
エストドックの情報によると
2002年に開設と言うから
はや18年…
地域に根差した深く広い
活動をされておられるようね~。
さらに凄いのが、こちらのクリニック
「英語対応可」となっているのよね!!
そこには院長の小林博子先生はじめ
スタッフの方々の並々ならぬ
努力と地域への愛が感じられるわー!!
専門の認知症に関しても精力的で
「小田原・箱根・湯河原・真鶴一市三町
若年性認知症を考える会」の代表や、
認知症に関する講演を
数多く行っておられて、
たくさんの患者さんやご家族の
力になってこられた様子が伺えるわね。
ちなみに若年性認知症に関しては
コチラでも!
地域の笑顔のために
奔走される女性医師・小林博子先生…
こんなドクターが地域におられたら
何だが凄く誇りに思えそうねー。
2.認知症患者と家族に向けて書かれた泣ける絵本「とかげのアンソニー」
「とかげのアンソニー」は
そんな小林博子先生が、
認知症の患者さんや
その方々を支えるご家族、
親戚や友人、ご近所の方…
さらには医療・介護スタッフの方へ向けての
メッセージも込めて作られた
大人の絵本。
この絵本は、認知症のご本人と、
介護するご家族を応援するために作りました。
認知症のご本人もご家族も心豊かな生活が送れますように。
病気や介護では、知識は力になります。
絵本で読む寓話で、介護について何かを感じていただけたらと思います。
子供と一緒に読むのもおすすめです。
認知症の患者さんやご家族を支える医療・福祉関係の方々にもお読みいただきたい一冊です。
異国の「動物」の姿を借りて
語られる認知症家族が抱える問題…。
閉鎖的な空間で、
整合性を欠いた言動を繰り返す人と
毎日暮らすこと…
そんな日々の中で戸惑いや悲しみ、
苦しさや閉塞感・いらだち…
いろんな感情に押しつぶされて
しまいそうになることも
いっぱいあると思うのね。
そんな気持ちを代弁して
体現してくれるのが
「とかげのアンソニー」。
「とかげ」で「絵本」だからこそ
伝わることもたくさんある…
そんな「とかげのアンソニー」は
次のようなお話よ。
3.とかげのアンソニー(絵本)のあらすじ
年老いたおじいさんとかげの
アンソニー(Anthony)が、
昔、自分の身の上に起きた
不思議な体験話を
語るところから始まるの。
自らも認知症となって
大切な記憶を失う前に…。
物忘れがひどくなった
アンソニーのお母さん。
アンソニーは家族と離れて
認知症のお母さんの世話をするんだけれど、
クローゼットにパンを隠したり、
枕の下に冷凍の肉を隠したり、と
その行動はアンソニーを
ひどく困惑させるのね。
病気のせいだ…と
頭では分かっていても、
心の混乱と悲しみは
深くなるばかり。
そんなアンソニーの前に
現れたのが謎の魔法使い!
茶色の小瓶を彼に渡すのね。
その中には
一週間たつと有効になる
毒薬が入っているとのこと。
7日間は使ってはいけない…
7日間たったら毒薬になるから
好きに使うように…。
アンソニーは、これで
自分も母親も楽になる…と
自分を言い聞かせ、
「母との最後の一週間」を
過ごしていくのね。
4.とかげのアンソニー(絵本)ネタバレ・感想
「母親との最後の一週間」
そう…あと一週間…!
アンソニーは泣きながら
最後の一週間は後悔のないよう
出来るだけ母親に優しく
怒らずにいよう、と決意。
そう思って接していくことで
今まで気付かなかったことに
気付いたり、
母親自身に変化が見られたり
するようになっていくの。
これがねー、
さすが30年間診てこられた
専門医の先生!っていう
視点と描写なのね。
徘徊・幻覚・被害妄想・健忘…
特に「私のお金を盗んだ!」と
アンソニーが母親に言われるシーンは
見ていて辛かったわー。
でもね、小林博子先生は
自身のブログでこう書かれているの。
認知症の方は、
いちばん頼りにしている人に向かって、
厳しいこととか物を盗ったとか、
いっちゃうんですよね。
そうなのだから、
物を盗ったでしょ!?と言われる人は、
実は、一番頼りにされているんだ、
と胸を張っていいんですね。
そのことを知っているだけで、
心持が変わってくると思うのです。
出典:https://ameblo.jp/hiro100ro/
病気や介護では、
知識は力になる…と語る
小林博子先生…。
その知識の意味は、
良い介護を行うことだけでなく
介護者の心を守るための
知識でもあるのね。
一人きりで認知症の親と向き合う
家族の辛さを誰よりも知っている
小林先生だからこそ、
その人たちを救いたい…と描かれた
「とかげのアンソニー」には
たくさんの知恵と知識と愛が
溢れているわー(T_T)
そして、もう一か所、
涙腺が崩壊したのが、
疲れ果てて眠るアンソニーに
母親が優しく毛布をかけるシーン。
切ない…!!
「お母さん」はやっぱり「お母さん」!
そして誰よりもその愛情を
知っているからこそ、
子どもは本当に辛い気持ちになる。
なんで「認知症」なんて
病気があるんだろうな、って
思わず思ってしまう。
でも、昔、自分にかけてもらった言葉を
認知症の母にかけるアンソニーの姿に、
確かな「繋がり」を感じて
生きることに光を感じるのね。
そうして運命の7日目…
アンソニーが出会うのは、
そして選択する未来とは…
それは是非、実物の絵本で!!
あとがきには、認知症を持つ人への
介護のコツも書かれている
「とかげのアンソニー」。
母親の言動に波立つ感情を抱え
悩みもがくアンソニーの姿に
自分の姿を重ねることで、
「なんだか分かってもらえた」
ような気持ちになって
癒されるのかもしれないわね。
介護する人にとって
一番よくないことは
「孤独・孤立」なんじゃないかしら?
最後に描かれたガーベラの花…
その花言葉は「希望」。
読み終わった後は
その花がひっそりと…
だけど確かに心の中で
花開いたような気持ちになった
アフロでした(*’ω’*)
5.「とかげのアンソニー」作者・小林博子医師が伝える介護のコツ
小林博子先生は介護に大切なものとして
「あ・い・で・す」という
4つを挙げておられるわ。
あ…(ご本人に)あんしんしてもらう(家族もあんしんして笑顔で語りかける)
い…(ご本人を)いそがせたり慌てさせたりしない(家族もいそがない、慌てない)
で…(ご本人が)できることはなるべく自分でしてもらう
す…(介護する側も)すきなことをする時間を大切にする
出典:https://ameblo.jp/hiro100ro/
その英語バージョン、
「L-O-V-E」も素敵なのね♡
L: Laugh and relax!
O: One thing at a time. Take it as easily as possible!
V: Value the patient’s own motivation and let them do whatever they can!
E: Enjoy your own life!
出典:https://ameblo.jp/hiro100ro/
認知症の人や、
それを介護する人に優しい
社会づくりのために日々
奔走されている小林博子先生。
そのメッセージの結晶である
「とかげのアンソニー」は
これからの少子高齢化社会に向けて
たくさんの人々が必要とする
絵本なんじゃないかしら、って
感じたアフロでした。
まとめ
いかがだったかしら?
認知症専門の精神科医師で
ひまわりメンタルクリニックの
院長でもある小林博子先生が、
認知症の方とその家族に向けて
描かれた大人の絵本
「とかげのアンソニー」。
小林博子先生の愛溢れるメッセージは、
認知症家族を持つ持たないに関わらず
「家族」に関わる人たちの心に
強く優しく深く沁み込む一冊ね。
いつか自分も親の介護をするでしょうし、
介護される側にもなるでしょう。
その時に、こんな知恵があったら…
そして周りに助けを求めることができれば…
少しでもその重さを分散することが
できるはず。
一人で背負い込んで悲劇的な結末を迎えないよう
たくさんの人々にこの絵本が届くと良いなって
思ったアフロでした。
【とかげのアンソニー】
出典:Amazon
さらには英語版も!!
【Grandpa Anthony,The Lizard】
出典:Amazon
親子って難しい。
でも、親子ってやっぱり愛おしい。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうねー!